デ5022号車について

 

昭和26年、ここ吉久に路面電車の運行が始まりました。

富山地方鉄道の高岡⇔伏木間の高伏線と、富山⇔新湊間の射水線が吉久地区で接続し、富山新港建設による射水線切断までは、高岡⇔富山[新富山・西町]間の直通運転が行われました。

この路線は、高岡側は路面電車の軌道線、射水線側は郊外電車の鉄道線であったため、両方の路線を乗り継ぎなく走行できる電車が必要となりました。

これに対応した車両が“デ5000形”であり、日立製作所が34両を開発・製造し、「デ5022号」は昭和25年に納入されました。

高床式の車体構造のため、床下機器がむき出しになっている無骨さが印象的です。

昭和46年、「デ5022号」は旅客車の使命を退きましたが、引き続き除雪専用車に改修され、平成24年までの62年間にわたり、富山地方鉄道、加越能鉄道、万葉線の所管する電車として活躍、多くの人々に慕われてきました。

このたび、高岡市衛生公社は開業60周年を迎え、その記念事業として、「デ5022号」を万葉線株式会社から譲り受け、未来に引き継ぐため、全面改修を行いました。
「デ5022号」が、地域の遺産として、また万葉線を愛する市民のシンボルとして、皆様に親しみ・愛されるよう願っています。

平成30年 10月
株式会社 高岡市衛生公社

製造年月

昭和25年12月

乗客定員

72人(うち座席24人)

電動機

38kW(50hP) 4基

架線電圧

直流 600ボルト

自重

18トン

最大寸法

長さ:12.640メートル 幅:2.500メートル 高さ:3.952メートル

ギャラリー

昭和25年の製造から、客車ののちに除雪車として、60年以上に渡り活躍したデ5022号車。

現役時代から修復工程、現在の姿に至るまでの写真を展示しています。

デ5022号車 往時の姿

約1年を掛けての修復作業

平成30年3月20日 修復完了